映画「リトル・ダンサー」感想
2022年 05月15日 00:15 (日)
イギリスの炭鉱町に住む少年ビリーは偶然目にしたバレエ教室に惹かれ
女の子たちに混じって練習するうちに夢中になっていく
めきめき上達する彼に自分の夢を重ね熱心に指導するウィルキンソン先生
しかし大事なお金をバレエに使うことを知った父は激怒し教室通いを禁じる
先生はビリーにロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けさせたい一心で
無料の個人レッスンを行うが
オーディションの朝、炭鉱夫の兄トニーがスト中に逮捕され・・・
なぜ今この作品なんだろうと思ったんですわ。
これって最近良く耳にするヤミグケアラーの物語でもあるんですね。
と同時に不況にあえぐ街の家族の物語でもあるし、1985年のイギリスが舞台でありながら現代の日本にも、とても良く通じるテーマだと思いました。
思い出のピアノを壊して暖炉の薪にするシーンのなんて切ないこと。
主人公ビリーの設定年齢は11歳、演じるジェイミー・ベル自身もほぼ同じ年齢だったらしい。
そんな彼がバレエのレッスンを続ける中で、成長しているのがはっきり目に見えるのです。
タップダンスで坂道を登るシーンでの、がっちり筋肉のついた脚は、まさにレッスンの賜物。
良くみると肩周りもかなり逞しくなってます。
クリスマスの日に父親の前で踊るビリーの生き生きした様は本当に圧巻。
今でこそダンスは全身の筋肉が必要というのが知れ渡っていますが、バレエなんて男のスポーツじゃないと思われていた当時は、どんなに風当たりが強かったことでしょうか。
ボクシングを勧めていた父親がビリーの成長した姿に心を動かされ、態度を改めてからの物語のスピード感が素晴らしい。
オーディションの結果通知を受け取った家族の無言の演技には、思わず涙を誘われます。
ラストの成長した25歳のビリーの舞台のシーン。
群舞の白鳥役の男性ダンサーたちのビリー(アダム・クーパー)を見つめる眼差しのキラキラしたことといったら!
そしてビリーが登場した時の父親の目の輝きといったら!
観終わると今度は必ずコレ↓を観たくなるんですよ。
何年か前の一度目に「リトル・ダンサー」を観た直後にコレをネット通販でポチりました。
1996年のロンドン公演の「スワンレイク」が収められているこのDVD。
画像があんまり良くないのが残念なんですけど、それでもアダム・クーパーのオーラはしっかり伝わります。
2003年、2005年のあたりだったか、都内のあちこちにこれのポスターが貼られていて、すごく興味をひかれたんですよ。
で、今ちょっとアダム・クーパーをググったら、なんと今年の2月に「雨に唄えば」のミュージカンルが都内で公開されていたんですね。
なるほどソレに絡めてのこの「リトル・ダンサー」放送だったのか〜。
でも次に放送された時にもきっと観ちゃうと思う。

「マーティン・エデン」感想
2022年 04月28日 00:03 (木)
「皆はこう呼んだ鋼鉄ジーグ」の適役でのルカ・マリネッリに一目惚れしました。
醜いのに美しい、美しいのに醜い、なんとも形容し難いジンガロの印象は強烈でした。
この作品は20世紀アメリカ文学の傑作、ジャック・ロンドンの自伝的小説が原作とのこと。
ジャック・ロンドンの小説を一つだけ学生時代に読んだことがあります。
「野性の呼び声」という物で、ちょうどこの「マーティン・エデン」が公開される少し前に実写映画も公開されました。
ハリソン・フォードが主演の物です。
犬が主人公だったので、ちょっと興味をひかれただけで、実のところ小説も映画もあんまりピンとこなかった。
なので作者ジャック・ロンドンのことには一切関係ない物語として、以下に私の感じたことを綴ってみたいと思います。
物語をザックリ説明すると、貧しい青年マーティンが裕福な家庭の女性エレナに恋をしたことで文学に目覚め小説家を目指す、というもの。
恵まれない環境の若者が、必死にもがいてより良い環境へ逃れようとする物語が私は好きです。
古い作品だと「明日に向かって撃て」とか、私の大好きな「闇金ウシジマくんpart3」とか、最近みた物だと「トリプル・フロンティア」なんかもその部類でしょうか。
これら三つの作品の結末では、どれも若者たちはより良い環境には逃れられません。
けれども今作の主人公マーティン・エデンは人気作家となって成功をおさめるようです。
あくまでも「成功をおさめるらしい」です。
一旦は成功するものの、また転落していくとおぼしき様子が見られます。
けどね、どーもミョーなんですわ。
誤解を恐れず、ネタバレにもなりそうですが、ズバリ言い切りたいと思います。
この作品の結末ってひょっとして夢オチなんじゃ?
どこから夢なのかはハッキリしませんが、終盤の成功したマーティンの姿はきっと本人の妄想なんじゃないかと私は思いましたとさ。
「皆はこう呼んだ鋼鉄ジーグ」感想 その1 その2

シティハンターで新年初笑い!
2021年 01月09日 20:54 (土)
冒頭からとにかく下ネタ爆発、いやはやホントおフランスのコメディの下品さはどこの国にも負けないと思います。
でも嫌なことの多いこのご時世、こういう作品は必要だと心から思うのは私だけじゃないはず。
主人公の相棒カオリが、ちょっとニキータっぽく見えたのは、やっぱりフランス人だからでしょうかね。
笑って頭を空っぽにしたい時には、是非ぜひオススメしたい作品ですよ。
こんな感じで2021年もボチボチよろしくです!

「スパイ・ゲーム」観たら二度目だった
2020年 12月04日 20:03 (金)
数々の困難な任務を遂行し今や伝説の存在と化したCIA工作員ネイサン・ミュアー
彼にとってトム・ビショップはその弟子でもありもっとも信頼のおける相棒でもあった
ミュアー自身がスカウトしスパイに関するあらゆることを教え育て上げた
二人は互いに尊敬し固い絆で結ばれていた
しかしミュアーのCIA退官日ビショップが中国側にスパイ容疑で逮捕される事件が起きる
ミュアーはビショップを見捨てようとするCIA上層部の反対を押し切り
背後の巨大な陰謀を承知の上でビショップ救出の壮大な作戦を計画するのだった。
(yahoo!映画より引用)
国と国との関係だとか、CIAの組織内の攻防だとか、確かに息詰まる展開ではあるんですが、そもそものミッションの目的がつかめないまま、最終的にはメデタシめでたしみたいに終わるのが納得行かなくて。
師匠のミュアーは弟子のビショップに「CIAのエージェントたるもの情に流されてはいけない」みたいな教えをたれていたはずなのに、あのラストだと彼自身がそれを守れてないことになりませんかね?
さらにミュアーの昔話に二番目の妻とか三番目の妻という女性が出てくるのに、ラストにはCIAの誰かが「彼の妻は一人だけだ」なんて言ってるし、いったい誰の言ってることが真実なのかもわからなくなるんですわ。
スパイ・ゲームというタイトルにある通り、騙し合うゲームのようではあるのですが、観ている方が騙されたままで終わるのは、いくらなんでも無責任じゃないでしょうか。

「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」
2020年 05月10日 23:41 (日)
「小さな恋のメロディ」観た
2020年 03月22日 21:05 (日)
日本公開が1971年なので、来年でもう50年にもなるんですね。
公開当時に兄が劇場まで観に行ったはずです。
すごく面白かった、みたいな感想を口にしていたんですよ。
その兄の言葉に相当期待したせいもあるのでしょうか。
いうほど大したことなかったな、というのが1度目の鑑賞の時に感じたことです。
でも今回2度目の鑑賞で色々気がついたことがあります。
その壱、主人公ダニエルの悪友オーンショーを演じているコがY氏によく似ていること。
撮影当時既に18歳くらいになっているのに、ちょっとませた11歳設定が全然違和感ないのも、Y氏に似ていると思います。
その弐、ダニエルの母親の包容力の大きさ。
若干おしゃべり好きで騒がしいのは玉にきずですが、息子への愛情が歪んでいるようには見えませんでした。
女の子のハダカに興味を持ち始めたダニエルのことを、穏やかにそっっと見守る姿が印象に残りました。
その参、相変わらずイギリスの映画は車に対する暴力が容赦ないこと。
ミスタービーンの愛車ミニクーパーが、戦車に押しつぶされるというのは有名なことですが、この作品でもダニエルの母親の車が本気で燃やされています。
ミニミニ大作戦の旧作なども、次々と車が破壊されていくのにビックリしました。
そういえば007シリーズのどれかのメイキング映像で、車を美しく破壊するスタッフの苦労、みたいなのが紹介されてましたっけ。
それにしても兄がこの作品のどこにどう感動したのか、気になって気になって仕方ありませんわ。笑

「さらば、わが愛/覇王別姫」観た
2020年 03月19日 23:05 (木)
演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、
京劇「覇王別姫」を軸に描いたチェン・カイコー監督作品。
身を待て余した遊郭の母に捨てられ京劇の養成所に入れられた小豆。
淫売の子といじめられる彼を弟のようにかばい、
辛い修行の中で常に強い助けとなる石頭。
やがて成長した二人は、それぞれ程蝶衣、
段小樓と名を変え京劇界きってのスターとなっていた。
以上Yahoo!映画より
2度目の鑑賞でしたが、ラストの小樓のアップの顔を良く覚えていました。
おそらく私が初めて観た中国映画ではなかったかと記憶しています。
もう一度観てみたいと思いながら、お金出してまで観るには、ちょ〜っと重すぎる作品なんだよなぁ、とレンタルするまでには至らなかったんですわ。
今回BSプレミアムでタダだったのでw録画しておいたんですけど、それでも視聴開始するまでに時間がかかりましたよ。
しかも長いし。人が死んでばかりだし。
前回の「さらばバルデス」とは違い、こっちのさらばはズバリ死別。
なので筋立てに関しては、この際もーどーでもいいです。
今回触れておきたいのは、序盤の舞台となる貧しい子供たちを集めた京劇養成所に関して。
作中の物は時代背景や演出もあり、かな〜り酷い描かれ方をしていましたが、似たような物が今もあるんですよ。
なんとアフリカの貧しい子供たちを集めて、中国の仏教系の組織に入れて、教育を施しつつ雑技団のような見世物興業を世界中で行っているのです。
BSドキュメンタリーで取り上げられていたのは、マラウイのひとりの男の子。
両親がいなくなったので、祖母にこの組織の学校に預けられ10年が経ち、卒業して台湾の大学に留学する、というところまでを映像で紹介していました。
関わっている人々は、概ね満足そうなのは良かった。
主人公の男の子はカンフーのような武術がとても上手で、大学も武術関係のところに進むようです。
ただ一つ気がかりなのは、男の子が母国の言葉をあまりうまく話せないこと。
組織では中国語が使われているので中国語は堪能だけれど、母国語は聞いてわかるけれど話すことはあまり得意ではない、まさにテニスの大坂なおみの日本語状態なのです。
本人もそのことに悩んでいるようでした。
この先きっとどこかで自分のアイデンディティに悩むことになると思います。
けれどもそれをきちんと克服して、いつかスクリーンで彼の姿を見られること(本人はカンフー映画のスターになる夢を持っている)を期待したいと思います。
以上、全く映画の感想ではないざれごとをつらつら失礼しました〜。

「さらばバルデス」観た
2020年 03月16日 20:14 (月)
バルデス(チャールズ・ブロンソン)は
野生馬を捕らえて売るのが仕事だった。
だが近在の牧場主はそれを目障りに思い彼に圧力をかける。
やがて対立は銃での解決という形をとった・・・。
自然の中に生きようとする男の孤独な闘いを描いた西部劇。
以上Yahoo!映画より
タイトルがタイトルなので、てっきりバルデスは死んでしまうのかと思ったんですが、そういうのではなかったのは良かった。
やたら人が死ぬのは好きじゃないので。
とはいえ観るべき物もあったのは拾い物でした。
それは馬の素晴らしさ。
アメリカ映画に出て来る馬は本当にパワフルで美しいです。
広大な荒野を自由に駆け回る馬の姿を見ているだけで、心が洗われるような気がして、とてもとっても癒されました。
またブロンソンが馬を上手に操るのがステキなんですわ。
主人公バルデスは一人で何でもできる孤独を愛する自立した屈強な男という設定です。
住んでいる家も彼が自分一人で建てたということですが、なんと石造りなんですわ。
一つ一つを自分で切り出して運んできたんですよねぇ。
まぁもちろん馬の力(馬力まさにホースパワー)があってこそ、なんでしょうけど。
人間には心を許さないけれど馬には心を許す、強くて孤独な男の極みのようなバルデスが幸せでありますように。

「レッド・サン」観た
2019年 12月28日 14:02 (土)
前々から観たいと思っていたのにレンタルなどでも見つからなくて、でも少し前にBSプレミアムでやっていたのに、どうしたわけか録画できず、悔しい思いをしたばかりでした。
ラストのぶら下がった刀のシーンが、かなり強烈な印象だったので、少なくとも2回目ひょっとしたら3回目くらいかもしれません。
真っ先に抱いた感想は、シリアスなんだかコメディなんだか中途半端で特別面白いとは思えない、というもの。
今回も同じような印象でした。
とはいえ日米欧の男前三人の競演は見応えがあって、眼福だったのは確か。
冷酷な殺し屋のアラン・ドロン、クールなガンマンのチャールズ・ブロンソン、忠義に厚い侍の三船敏郎。
上手い具合にキャラクターが配されているのが素晴らしいです。
今の男優でリメイクするなら、青い目の殺し屋にダニエル・クレイグ、ガンマンにはラッセル・クロウ、サムライには我らが山田孝之なんてのは、単に私の好みを集めただけですよ。

「マディソン郡の橋」観た
2019年 11月11日 00:05 (月)