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不朽の名作「七人の侍」

2014年 09月01日 15:28 (月)

1954年の制作ですから、60年も前の作品です。それでも色あせない本当に素晴らしい、まさに Magnificent な映画だと思います。今までにも何度か観賞したことはあるのですが、今回は「荒野の七人」との見比べをしたので、じっくり観察してみました。ここんとこ黒澤明作品を続けて観ているのですが、最近の古い日本映画のDVDには日本語字幕があるのがとてもありがたいです。

音があまり良くなくて、台詞が聞きづらいというのもあるのですが、何より聞き取れてもわからない単語がしばしば出てくるんですわ。文字にしてみると、ああそういう言葉なのか、とすんなり理解できますから。

思ったよりメッセージ性の強い作品なんですね。最近はこういうのは説教臭いと嫌煙されそうですが、娯楽性とのバランスも良いので私はあまり気になりません。『農民というのは心配ばかり』『勝ったのは百姓たちだ』etc. 「荒野の七人」にもそのまま使われている、印象的な台詞がたくさんあります。ですが私が一番心引かれたのは以下の物。

『人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかり考えるやつは己をも滅ぼすやつだ。今後そういう奴は・・・』

この作品は上映時間が207分と長く、途中に休憩を挟んで上映されていたようです。レンタルしたDVDは前後編の二枚になっていて、上記の台詞は前編の最後に出てくる物です。口にしたのは侍たちのリーダーである勘兵衛という人物。「荒野の七人」ではユル・ブリンナーの役柄のポジションにあたります。

侍たちに野武士退治を依頼してきた農村には、川向こうに三軒だけ離れて建っている家がありました。村全体を守るため、この三軒の住人に家を捨て村内の防衛にあたらせようとしたところ、頑に抵抗された勘兵衛が発した台詞です。3軒のために20軒を危険にさらす訳にはいかない云々から続き、人間は社会的生き物であることを強く訴えています。

特に私が印象的だと感じたのは『今後そういう奴は・・・』と、結論づけることなく台詞が終わっているところです。勘兵衛はあの後いったい何を言いたかったのか、観ている者に判断を委ねているのです。60年前の世相(あくまでも想像です、何せ生まれる前のことだから)と今の世相とを照らし合わせて、無粋を承知で私なりに言葉をつないでみました。

『人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかり考えるやつは己をも滅ぼすやつだ。今後そういう奴は・・・どんどん増えて世の中がおかしくなっていくかもしれない』
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