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「インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌」感想

2017年 04月17日 17:35 (月)

第66回(2013年)カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。も〜ヒゲ好きにはたまらない作品でした。毛むくじゃら生物も出てきてほっこりして、じんわりする素敵な作品。ヒゲ満足度5点満点で5★★★★★

insidelwyn2017.jpg
1961年冬のニューヨークでは
若い世代のアートやカルチャーが花開いていた
グリニッジビレッジにあるライブハウスで
歌い続ける一人の男ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)
熱心に音楽に取り組む彼だったがレコードはなかなか売れない
音楽で食べていくのを諦めようとするルーウィンだったが
何かと友人たちに手を差し伸べられ・・・



この作品は劇場公開時から気になってたんですよ。
レンタルになったら絶対観ようと思っていたら、いつまでたっても空かなくて、気がついたら旧作になってました。
気がついたのは言うまでもなくY氏のドラマのおかげでもあります。

higelowyn20171.jpg
<お肌もツヤツヤでないとヒゲが美しく見えません>



もちろん私の注目ポイントは主人公ルーウィン・デイヴィスのヒゲ。
彼のヒゲがとにかく美しくて、それを眺めているだけでも私にとっては眼福の極みだったんですけど。
それ以上に作品内容も素晴らしかった。
自分の歌を必死に売り込むルーウィンの一生懸命な姿が、もうとにかくいじらしいの。

あの頃はレコード盤も大きいサイズのLPしかなかったんでしょうか。
ルーウィンはニューヨークからシカゴまで自分を売り込みに行くんですけど、着いた先の劇場でカバンの中からレコードを取り出す時の様子にはビックリ。
え?そんなとこによくその大きな物が入ってたわね!と思いましたよ。
まるで手品みたいでした。

higelowyn20173.jpg
<こういう陰影のあるショットもとても素晴らしかった>



何より一番ぐっときたのは、ルーウィンがY氏にちょっと似ているところです。
ヒゲ面の見た目はもちろんのこと、その特異な人間性だとか周りの人との関係性とか。
フツーの人間の尺度で見ると、クズなところが多々あるんですけど、何より彼は芸術の神に愛されているんですよ。
そして芸術の神だけでなく、そのピュアさゆえ周りの人々からも愛されているの。

ルーウィンは一人の女性から「妊娠している」と聞かされます。
ここいらへんのくだりは、まんまY氏の私生活と重なってしまって、いくらか胸が痛みました。
けれども、この物語を知ることで違った見方もできるようになったのは良かった。
この妊娠しているとルーウィンに告げた女性も、たいがいクズな女でこっぴどく彼のことを罵るんですけど、本当は彼のことを愛しているんだな、と私は感じました。

higelowyn20172.jpg
<ネコちゃんも見事な演技を見せてくれます>



自分で自分を愛することができていないのに、他人からよりたくさん愛されると、その愛を受け止めきれないのかもしれません。
何事もバランスってのは大切、愛することと愛されることのバランスも。

hegejonn2017.jpg
<このおじさんも良い味出してました>



低音の魅力的な俳優さんが多くて、その声を聞いているだけでも心地良くなるような作品です。
音楽だけのサントラではなく、映像ソフトを字幕なしで流すのもいいなと思ったので、ぜひソフトを入手しようと思います。
実話が元になっているとのことで、実在のミュージシャンらしき人も登場しているようですが、そういうのは全く関係なく楽しめると思いますので、未見の人には是非ぜひオススメです。


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