ウシジマくんの謎 その3
2015年 07月28日 00:05 (火)

「闇金ウシジマくん」dビデオスペシャルのスーパータクシーくん編に描かれている【最も過酷な人生の選択】というのは、金に困ったタクシードライバーの諸星が、自分の娘を怪しい芸能関係者に売り渡すかどうかを迫られる、というものです。彼がどういう選択をしたかは、はっきりとは描かれていません。それは観ている者の判断にまかされているワケです。
けれどもチラリちらりとうかがえる諸々の情報からすると、彼はおそらく娘を売り渡したのでしょう。一縷の望みとして私は、その怪しい芸能関係者というのが実はそんなに怪しいモノでもなかった、という結末になって欲しいと思っていました。でも今回久しぶりに見直してみて私は気がついてしまった。諸星の娘のサヤちゃんという女の子、ちょっと面立ちが女闇金サイハラに似ているということに。そうか、そういうことだったのか。
クズな親を持った子どもが、クズの連鎖から抜けることは容易ではない。これは「闇金ウシジマくん」に度々描かれているテーマです。映画PART1で18歳のミコ(大島優子)は母親から売春の誘いを受けました。映画PART2ではマサル(菅田マサキ)は母親の借金の肩代わりをさせられた上、カウカウファイナンスをクビになります。タクシードライバー諸星は父親として最低の選択をしました。
残る一つの関係、クズな父親と息子の関係とはどういう物なのでしょうか?これはきっとウシジマくんと彼の父親のことなんだろうと、私は勝手に解釈しています。でもね、ウシジマくんは母親からはちゃんと愛情を注がれていたと私は考えてるんですよ。十分ではなかったかもしれないけれど、少なくともウシジマくん本人がそのことを自覚できるくらいには。そうでなきゃ、部下の柄崎があれほど社長を慕うワケがないもの。

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