映画「悪童日記」感想

戦争中の悲惨な体験を通じて、双子の少年の成長を描いた作品。描かれているテーマとしては「太陽の帝国」と同じかもしれないけれど、こちらの方が相当ハード&ヘビーです。



悪童日記
映画「悪童日記
作品情報



そもそもこの二人の少年は本当に双子なのだろうか、というのが真っ先に私が感じたこと。
単に見た目が似ているとかそういう意味ではなくて。
だって名前がまったく呼ばれないんですよ。
「息子たち」とか「メス犬のこども」とか言われるだけで。
つまり独立した二人の人間として扱われていない、ということ。

まぁ、他の登場人物に関しても固有名詞はほとんど出てこないんですけどね。
【将校】とか【魔女】とか【兵士】とか【目と耳のきかないおばさん】とか。
なので私はこの双子はひょっとしたら一人の人間の二面性を意味しているのでは?という視点でもって観賞しました。

双子をモチーフとして、子どもから大人への成長を描いた作品としては、萩尾望都の漫画「半神」を超える物語はないと私は思っています。
結合双生児として生まれた少女ユージーは、13歳の時に切り離されて死んでしまった妹ユーシーが、本当は自分だったのでは?という思いにとらわれる、というとても深遠で哲学的な、けれどもわずか16ページに凝縮された短編漫画です。
一緒に生まれ育った片割れを切り離して普通の女の子として日々を送ることに、時折疑問を感じ「愛よりももっと深く愛していた、憎しみもかなわぬほどに憎んでいた」とかつての自分の半身に涙とともに語りかけるラストは衝撃的でした。

この「半神」を念頭に置いて本作を観ていると、どちらかというとむしろ逆の方向性なのかも、とも思い至りました。
肉体は二つあるけれど一つの魂しか持たない少年、けれどもやがてそれぞれ別の意識が確立され、分離していく物語。
作中には「僕たちは引き離されるのが一番辛い」という台詞も出てきます。
お気に入りの毛布やテディベアなど、一般的な子どもが愛着を持つ対象物が、この双子の場合はお互いの人間であるなら、引き離されることがどれほど辛いことであるか想像に難くないはず。
そしてそれを分離させるのが、どれほどのエネルギーを必要とするのかも。

その場に留まる者と、出て行く者として離ればなれになるラストシーンは壮絶です。
淡々としているだけに、なおさら緊迫感があります。
あまりにあっけない幕切れに異論を唱えたいところですが、むしろその竜頭蛇尾感が良い余韻になっているようにも思います。
酷い描写も沢山あって、思わず目をそむけてしまう場面もありますが、どれも大人であれば受け入れなければならない事象ではないでしょうか。
心の体力がある時に観てもらいたい作品だと思います。是非ゼヒ。

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No title

こんばんは。

この作品をオススメの方が他にもいらっしゃいましたが、やはり結構ヘヴィーなようで・・・。

元気な時に観たいと思います(^_^;)

Re: No title

コメントありがとうです、バニーマンさん。

> この作品をオススメの方が他にもいらっしゃいましたが、やはり結構ヘヴィーなようで・・・。

気軽に観る作品ではありませんけど、観て損はないと思います。
主人公の少年たち以外の登場人物も、結構印象的な人ばかりでした。
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ケフコタカハシ

Author:ケフコタカハシ
半世紀を越える人生のほとんどを西洋かぶれで過ごしてきた主婦。ここ2年ほど山田孝之演じる実写版ウシジマくん中毒。「闇金ウシジマくんthe final」13回観ました。バイバイウシジマなんて言いませんからね〜!

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「女の終活日記」
もよろしく。

現在の主な観察対象:山田孝之、ジェイソン・ステイサム
初恋の禿:ユル・ブリンナー
初恋の髭:デニス・ウィーバー
初恋の髯禿:ショーン・コネリー
大きくなったらなりたい物:仙人
将来の夢:一人暮らし
今一番行ってみたい場所:グランドキャニオンとラスベガス、香港
将来の希望:山田孝之の美白ヒゲを拝むこと

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