思い切ってヒッチコックの「鳥」観ましたよ

私の最も苦手とする群れる系の気持ち悪さが売りの名作サスペンス。でも私は鳥の群れにはそんなに恐怖は感じなかったです。だって鳥が群れるって、私的にはむしろ憧れなんだもん。


鳥
映画「
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今回も宵乃さん主催ブログDEロードショー「夏のきもだめし企画」への参加です。
宵乃さんのブログ『忘却エンドロール』はコチラ

物語冒頭のペットショップにまず驚きました。
まだあの頃(ちょうど私の生まれた頃です笑)はアメリカでも生体陳列販売がされていたんですね。
今は禁止されているようですが、日本も早く禁止されればいいのに、と心の隅で思ったことはこの際脇に置いといて、と。

ショップ内に沢山陳列されている鳥たちの中から、ついつい自分が飼っているコザクラインコを探し出そうとしてしまうのは、インコ飼いの悲しい性であります。
そしてそのコザクラインコがまさか物語のキーアイテムだったりしたことに驚いたりもしました、ちょっとだけ。
そういえば随分前に鳥のオフ会に参加した時に、この映画のことが話題になっていたこと、観始めてようやく思い出しましたよ。
コザクラが出てくるから観なきゃダメだよ!と誰かに言われたような言われなかったような・・・。

とまぁ鳥の話はこのくらいにして、映画の中身に触れていきましょう。
最も怖かった、というか「ぎょえぇぇぇ」と思ったのは、暖炉から雀がなだれ込んで来るシーンでしょうか。
カラスやカモメの群れは屋外でのことなので、逃げればいいやと思えるんですけど。
閉じこもっている所に外から何かがなだれ込んでくる、空気の薄さのような物が嫌だったの。
観ていて息苦しくなってくるような感じがして。
私は閉所恐怖症だから、余計そう感じるのかもしれません。

ホラー要素に関しての感想はそれだけ。
私にはむしろ人間ドラマの方が面白かったです。
そもそもこの物語の主人公はいったい誰なんでしょうか?

主役はティッピ・ヘドレン演じるメラニーだとは思いますが、私が見たところ彼女は主人公にしては印象が薄いんですよ。
メラニーはサンフランシスコの新聞社の社長令嬢で、ライバル新聞社が面白可笑しくゴシップのネタとして扱われているという女性。
ローマに旅行に行った時に、どこかの泉に裸で飛び込んだ、な〜んてでっち上げ記事を書かれているらしい。
母親は彼女が11歳の時に、他の男と一緒に出ていったという暗い過去もある。

そういう影のある女性なら、この鳥に襲われるという恐ろしい経験で、何かしら気持ちなり表情なりに変化がありそうなもんなんですけど。
あんまりそういう物は感じられなかった。
そもそも殆ど初対面の弁護士ミッチにサプライズを仕掛けるなんて、どんだけ暇人で物好きなんだろう、というのが私の第一印象でしたから。
おそらく物語の中心にあるのはこのメラニーとミッチの恋模様なんでしょうけど、それもごくごく淡白でただの吊り橋効果でしかないような気がしたんです。
鳥に襲われる危機感が無くなったら、冷めてしまいそうな間柄に見えたということ。

一方で鳥に襲われる二日ほどの間に劇的な変化を見せたのが、ミッチの母親リディアだと私は感じました。
リディアの初登場シーン、レストランでミッチに「ぼくの母親だ」と紹介された彼女の肌ツヤの良さと白髪混じりの頭とのアンパランスが、正直とても不気味に見えたんです。
そしてその後のミッチとその父(リディアの夫)などの関係を知れば知るほど、リディアがまるで魔女のような気がして。
鳥が凶暴化することと、リディアの美魔女のような(笑)容貌が何か関係があるんじゃ、とさえ考えてしまったくらい。

でもそれは考え過ぎでした。
リディアは単に愛する夫を失った悲しみを乗り越えられていなかっただけ。
その上息子ミッチすら失うのでは、と不安で不安で仕方なかった。
さらには、まだまだ幼い娘キャシーも、鳥に襲われるのではと不安が大きくなった。
そう、これはアノやたら不安が大きくなる、という更年期障害の症状の一つなのでは?
ああ、私ったらまたミモフタモナイことを。

そんなリディアはメラニーに向かってはっきりと「夫を亡くして寂しい」と告白します。
メラニーは黙ってそれを聞いているだけ。
特に励ましも慰めもしません。
それでいいんです。
リディアは自分が寂しいと感じていることを自覚しているから。
「強くなりたい」という言葉も口にしているから。

終盤にメラニーが鳥に襲われてしまい、彼女を救おうと車で脱出するというのがこの物語のラスト。
血まみれになったメラニーを抱きかかえたリディアが、まるで聖母マリアのように見えました。
ひとりぼっちはイヤ、と涙していた彼女とは別人のよう。
強くならなきゃ、自分がメラニーを守らなきゃ、そういう使命感のような物が芽生えてきたのだと思います。
妙にツヤツヤしていた肌も年相応になって、老けたというよりはたくましくなったような顔つきに変わっていたのも印象的でした。

ただただ怖いだけでなく上質な人間ドラマを感じられる、素晴らしい作品だと思います。
語り継がれる名作にはやはりそれなりの理由がある、それを実感した119分でした。


トリは食べる物だと思う人はコチラを→

トリは愛でる物だと思う人はコチラを→/

ああ〜、また掛川花鳥園行きたい!花鳥園行って、鳥に襲われたい〜〜!
掛川花鳥園に行った時の記事はコチラです。


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コザクラインコというのは

ラブバードのことでしょうか?
鳥に疎いので小鳥がいたという印象しか残ってません。
この鳥が希望の象徴なのか、いつか彼らに牙を剥く不安要素なのか、見る人によってとらえ方が違うみたいです。

>この物語の主人公はいったい誰なんでしょうか?

鳥とヒロインかな?
ヒロイン以外の登場人物をもう忘れてしまって、リディアさんのこともわからないです…。
でも、人間ドラマも恐怖シーンも堪能できたようで良かったです。
今回もご参加ありがとうございました♪

>日本も早く禁止されればいいのに

激しく同感です!

Re: コザクラインコというのは

コメントありがとうです、宵乃さん。

> ラブバードのことでしょうか?
> 鳥に疎いので小鳥がいたという印象しか残ってません。

ラブバードのことを「チェックも縞のうち」のブログ記事にしましたので、もし良かったらそちらをどうぞ。

> この鳥が希望の象徴なのか、いつか彼らに牙を剥く不安要素なのか、見る人によってとらえ方が違うみたいです。

あのツガイのラブバード、私は「守るべき存在」なんじゃないかと思いました。
レストランで「鳥なんか皆殺しにしてしまえ」と言っていた男性が、ガソリンが足元まで流れていることに気が付かず、マッチをすって自分を燃やしてしまったのと対極にあるのかな、と。
あのラブバードたちを守っている限り攻撃はされない、そういう意味では希望という範疇かもしれませんね。
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映画「鳥(1963)」観ました

製作:アメリカ’63 原題:THE BIRDS 監督:アルフレッド・ヒッチコック 原作:ダフネ・デュ・モーリア ジャンル:★サスペンス/パニック【あらすじ】ペットショップで弁護士ミッチにからかわれた社長令嬢メラニー。彼に小鳥を届けて驚かせようと、彼女はボデガ湾沿いの寒村を訪れる。だが突然、一羽のかもめが彼女の額を突き飛び去った。村では鳥たちが不穏な動きを見せ始め…。またも再見。昔...

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プロフィール

ケフコタカハシ

Author:ケフコタカハシ
半世紀を越える人生のほとんどを西洋かぶれで過ごしてきた主婦。ここ2年ほど山田孝之演じる実写版ウシジマくん中毒。「闇金ウシジマくんthe final」13回観ました。バイバイウシジマなんて言いませんからね〜!

どーでもいい日常の記録
「チェックも縞のうち」


闘病記の
「女の終活日記」
もよろしく。

現在の主な観察対象:山田孝之、ジェイソン・ステイサム
初恋の禿:ユル・ブリンナー
初恋の髭:デニス・ウィーバー
初恋の髯禿:ショーン・コネリー
大きくなったらなりたい物:仙人
将来の夢:一人暮らし
今一番行ってみたい場所:グランドキャニオンとラスベガス、香港
将来の希望:山田孝之の美白ヒゲを拝むこと

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