新旧サブリナ対決 私的には新作に軍配
2016年 12月23日 13:53 (金)
旧作「麗しのサブリナ」1954年
左からライナス、サブリナ、デビッド
新作「サブリナ」1995年
原題は新旧どちらもシンプルに「Sabrina」です
大富豪ララビー家の運転手の娘サブリナは、
ララビー家の次男で色事師のデビッドにぞっこんです。
けれどもデビッドにとって彼女はまったく眼中にありません。
そんな娘のことを心配した父親は、サブリナを遠くパリへと留学させます。
数年後見違えるように美しくなって帰ってきたサブリナに、
あろうことかデビッドは一目惚れ。
ところが彼は既に大会社タイソン社の娘と婚約をしていたのでした。
二人の婚約は会社にとっての良縁、つまりは政略結婚のような物。
会社命のララビー家の長男ライナスは、
デビッドとサブリナの仲を裂こうとあれこれ画策します。
ライナスがサブリナに惚れているふりをし、
一緒にパリに行こうという約束を交わすまで、二人の仲は進展。
果たしてライナスの目論みはうまく行くのでしょうか。
旧作を観た時にミョ〜な既視感があって不思議な感じがしていたのですが、画像検索するとやたら宝塚歌劇の物が出てくるのでようやく思い出しました。
宝塚版のを最初に観たんですわ私。
その時の印象は、サブリナという浮気性の娘に振り回される富豪の兄弟(二人とも若くて男前)の物語というものでした。
まぁ宝塚の男役ってのは、若くて男前なのが当たり前。
高齢男性の枯れた渋い色気なんて求めちゃ〜いけませんわな。
でも老け専の私は仕事一筋のトーヘンボクが好きなので、宝塚版のこの物語には全く魅力を感じませんでした。
ヘプバーンありきの旧作は、主人公サブリナ以外の人物の掘り下げが足りなくて、若干バタバタしてコメディテイストが強めです。
それでもヘプバーン演じるサブリナの可愛さには、ただただ目を奪われるばかり。
サブリナパンツのネーミングの由来となった、そのファッションも見どころの一つでしょう。
そんな中私が一番気になったのは、富豪の兄ライナスのこと。
仕事一筋のトーヘンボクが、気が付けば恋に落ちていたという設定も、バッチリ私好みです。
なので、もう少しライナスのことを観てみたかったな、というのが旧作を観た後の感想でした。
そんな思いを持って臨んだ新作は、まさに私の希望を叶えてくれた作品でした。
何しろ主役はサブリナではなくライナスだったのですから!
物語の出だしこそ、かなり旧作を意識した作りにはなっていましたが、テイストは全く違います。
ライナスとデビッド、そしてもちろんサブリナのキャラがとても丁寧に描かれた人間ドラマ。
特にパリに渡ってからのサブリナの成長の様子は良かった。
子どもから大人へ劇的に変身する、美しい蝶の羽化といったところ。
可愛い子には旅をさせよという、子育ての見本にもなりそうなエピソードだと思いました。
ここまで丁寧にサブリナを描いておいて、ようやく我らが主役ライナスの登場です。
パリから帰って来たサブリナを、そうとは知らずナンパして車で送るデビッドのくだりは新旧変わりません。
サブリナは皆を驚かせようと帰国の連絡をしていなかった、という筋立てが本当に素晴らしいですよね。
それなのに真っ先にサブリナに声をかけるのがライナスなんですよ。
旧作は確かお手伝いのオバサマ達だったと思ったんですけど、違ってたらゴメンです。
ライナス役のハリソン・フォードは私にはアクション系の俳優というイメージがあったので、こういう仕事一筋トーヘンボクが良く似合うと思いました。
大企業のトップという立場にあるライナスは、感情をあまり表に出さないのが常なのでしょう。
帰国したサブリナに声をかけた時のライナスの表情も全く読めません。
まるで昨日も会ったかのように、さらっと「サブリナ」と言うんですよ。
でもここで思わず名前を呼んだってことは、既にこの時にライナスはサブリナのことを特別な存在と認識していたってことなのかなぁ、な〜んてアレコレ考えるのがなかなか楽しいんですわ。
こういう観賞した後にも色々と妄想できる作品は、一粒で二度美味しいので大好きです。
できればヘプバーンの旧作も含めて、ソフトを手に入れたいと思った久々の私的ヒットでありました。
欲しいソフトのリストに加えておかなきゃね。
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映画「麗しのサブリナ」観ました
2016年12月23日 15:09
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No title
2016年12月23日 15:34
Re: No title
2016年12月23日 23:11
> 私はボガートさんがちょっと苦手なんですが、このライナスは好きです。それがハリソン・フォードになったら、さらに好感度アップかも(笑)
1995年の作品なので、ハリソン・フォードは53歳くらいでしょうか。
大人の男の色気が満開な年齢なので、なかなか麗しいですよ。
> 機会があったらいつか観てみたいです♪
ぜひ是非、いえ絶対観なきゃ損ですってば!
ヘップバーンの「麗しのサブリナ」は結構好きな作品で、仕事一筋のライナスがいつの間にか…という展開は本当に良いですよね。
私はボガートさんがちょっと苦手なんですが、このライナスは好きです。それがハリソン・フォードになったら、さらに好感度アップかも(笑)
ヘップバーン大好きなので彼女がいないのが寂しいですが、色々妄想できるのも私好みかも。機会があったらいつか観てみたいです♪