なぜヒトはヒトを殺してはいけないのか?

映画「エクス・マキナ」感想です。筋立ては予想通りの展開で特別目新しいようには感じなかった。そのためヒゲハゲ満足度は5点満点の3★★★☆☆です。


exmachina.jpg
検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社
「ブルーブック」でプログラマーとして働くケイレブは
巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長の
ネイサンが所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る
しかし人里離れたその地に到着したケイレブを待っていたのは
美しい女性型ロボットエヴァに搭載された
世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという
興味深くも不可思議な実験だった・・・
以上のあらすじは公式サイトより引用




予告編を見た時から社長ネイサンのヒゲハゲが気になっていました。
いかにも偏ってそうな人間らしく著しく偏ったそのヒゲハゲの造形からして、誰がどう見ても変人ですものね。
きっととっっっても変人に違いないと思ってました。
でも、いうほど変人でもなかった。
単に他者とのコミュニケーションをとるのが苦手なだけの器の小さい人間でした。
つまんないの。

やたら人工的な建造物と対比させる、大自然を捉えた映像は確かに綺麗でしたが、だからどうだってんでしょうか?
そういう物はあくまでも演出要素の一つ、特に驚くことでもありません。
滝の側で会話するネイサンとケイレブのシーンが唐突に出てきて、なんじゃコリャ?でしたわ。
それにしてもヘリコプターで2時間(だったかな?)も飛ばなきゃ到達できないような、人里離れた場所ってどんなとこよ?
その周りが全部社長の私有地だってんだから・・・。
ま、そういう細かいことはさておき。

観ている間中なんとも言えない不快感というのか、居心地の悪さというのか、平たく言うととにかく気持ち悪くて仕方なかったんですわ。
気持ち悪いことその1は、窓の無い部屋という閉塞感、何しろ私は閉所恐怖症ですから。
気持ち悪いことその2は、カサカサに乾いてバチバチと静電気の起きそうな空気感、ベッドやイスなどのファブリックが全て化繊のように見えたからでしょうか。
気持ち悪いことその3は、ネイサンやケイレブのエヴァに対する態度。
殊にネイサンに関してはエヴァだけでなく、ケイレブも含めた人間、つまり自分以外の他者への態度。
この他者への態度が、ことごとく上から目線つまりはひじょ〜に驕っていると感じたのです。

世界的IT企業の社長だからって何偉そうにしてんのよ!ネイサンに対してそう感じたということ。
まるで自分が全知全能の神だと勘違いしてんじゃないの?そう言いたくなったということ。
程度の差こそあれ、ケイレブにも少しそれが感じられたので、さらに不快感が増したのです。
この気持ち悪いことその3の他者への驕りというのは、ひょっとしたらキリスト教的思想のせいなのかもとも感じました。
いわゆる人間は神の作った物で他の生物とは違う、そういう考え方。

ちょっと違う目線で見てみると、宗教的というよりは男性的と言えなくもない。
上下関係でしか全ての物事を捉えられない人間の考え方。
もちろん女にもそういう風にしか考えられない人もいますけど。
どちらかといえば女性は物事をフラットに考えられる人間だと私は思うので。
具体的なところでは、ロボットのエヴァに対してケイレブはとにかく何かを教え込もうとしかしないんですわ。

ロボットのエヴァの目線に立ってみる、という発想がないんです。
エヴァから得られる何かがあるかもしれない、そういう考え方ができない。
小さい子どもに対しては膝を折って小さくなって話しかけるという、フィジカルな寄り添い方はできるかもしれないけれど、メンタル面で寄り添うことができない。
人間はロボットよりも優れている、あるいは優れていなければならない、優れているべきだ、そういう考え方から逃れられない。
そんな二人の男性ネイサンとケイレブの態度がとても不快でした。

侮るものは侮られる、こういう成句を彼らは持たなかったのでしょうね。
以下バッサリねたバレだめ出ししていますので、ご注意ください。

それではここでいつものようにウシジマくんにご登場いただきましょう。
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♡♡ああ!愁いを帯びた横顔たまりませんわ〜♡♡



学生時代の私はSF小説を読みあさっていました。
その後諸事情がありSF作品(小説および映画など)からは遠ざかってしまったので、昨今のロボットのトレンドというのがどういう物なのか全くわかりません。
近頃はロボットというよりアンドロイドとかAIとか表現するのが適切なのかもしれませんけど。
私が親しんでいたロボットと呼ばれる機械仕掛けの人形には、必ずある禁忌が設定されていました。
それは「人間には危害を加えてはならない」というもの。

この映画に登場するエヴァにはこの禁忌が設定されていません。
そのため簡単にネイサンに包丁を突き立て、人里離れた山間の別荘から脱走してしまいます。
ヒトを殺してはいけない、これはロボットの禁忌というだけではない、人間としても同じ禁忌が必要なはず。
でもね、エヴァを作ったネイサンは彼の人里離れた山間の別荘の工事にあたった人間を殺してるんですよ。
大事な別荘の情報が他に漏れてはいけないからという理由で。
なんだか古代中国の皇帝みたいじゃありませんか。
つもりネイサン自身が「人殺しはしてはいけない」という禁忌を持たない人間なんです。
そりゃ自分の作ったロボットに殺されても仕方ありませんわな。
全くもって絵に描いたような自業自得物語だったという訳です。

「どうして人を殺しちゃダメなのかわからない」な〜んてふざけた理由で凶行に走る若者が、近頃は珍しくなくなってきたのはとても由々しきことです。
なぜヒトはヒトを殺してはいけないか、その理由を誰にも教わらなかったんでしょうかね。
自分がされて嫌なことは他人にしてはいけないとしっかり教える、こんなの子育ての基本でしょ?
自分が殺されるのが嫌なら、他人を殺してはいけない、それだけのことなのに。
以上、長々ダラダラとしたダメ出し感想を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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諸事情

キョーコさん、学生時代SFお好きだったのですね?
それが読まれなくなった、ってのがとても気になります。なんだろなんだろー

私は昔から苦手で手を出す気になれません。

横顔のウシジマくんかっこいいですね!

今日もちょっと投票結果覗いていこーっと♪(覗くだけです)

Re: 諸事情

コメントありがとうです、ふゆこさん。

> それが読まれなくなった、ってのがとても気になります。なんだろなんだろー

んーとね、一番大きな原因は「閉所恐怖症」かなぁ。
他にも色々絡んではいるんですけど。

> 私は昔から苦手で手を出す気になれません

私は殺人事件の起きる物語は苦手、あとファンタジーも。
つくづく興味の幅が狭いなと自分でも思いますわ。

> 横顔のウシジマくんかっこいいですね!

ありがとうございます。
なぜか近頃またどっぷりウシジマくんにはまってますよ。
あっっ、聖地巡礼の記事書かなきゃ、忘れてたわ。

> 今日もちょっと投票結果覗いていこーっと♪(覗くだけです)

24時間ごとってのはちょっと不便ですよね?
そーでもない?
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プロフィール

ケフコタカハシ

Author:ケフコタカハシ
半世紀を越える人生のほとんどを西洋かぶれで過ごしてきた主婦。ここ2年ほど山田孝之演じる実写版ウシジマくん中毒。「闇金ウシジマくんthe final」13回観ました。バイバイウシジマなんて言いませんからね〜!

どーでもいい日常の記録
「チェックも縞のうち」


闘病記の
「女の終活日記」
もよろしく。

現在の主な観察対象:山田孝之、ジェイソン・ステイサム
初恋の禿:ユル・ブリンナー
初恋の髭:デニス・ウィーバー
初恋の髯禿:ショーン・コネリー
大きくなったらなりたい物:仙人
将来の夢:一人暮らし
今一番行ってみたい場所:グランドキャニオンとラスベガス、香港
将来の希望:山田孝之の美白ヒゲを拝むこと

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