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マグニフィセント・セブン観てきた

2017年 02月03日 21:25 (金)

「七人の侍」「荒野の七人」を原案とした痛快アクション活劇。うまい具合に両方の良いところをミックスし、なおかつ現代的に味付けした見応えのある作品でした。ヒゲ満足度5点満点で5★★★★★


seven20172.jpg

南北戦争後のアメリカ
とある小さな田舎町ローズ・クリークの住人たちは
悪徳実業家ボーグによって苦しめられていた
彼に家族を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)は
荒れ果てた大地にやってきた訳ありのアウトロー7人に
正義のための復讐を依頼する
当初は金のために集まった7人であったが
住人たちと知り合うにつれてそれ以上の意義を見出し
圧倒的な人数と武器を誇る敵を前に一歩もひるむことなく
拳銃、斧、ナイフ、弓矢など
それぞれの武器を手に命がけの戦いに挑んでいく




やっぱり西部劇はいいですねー。
何が良いって、すご〜く大地を感じられることです。
特に馬がドカドカパカパカと音をたてて走るシーンは最高!
アメリカの馬って本当にガッチリしててパワフルで、走る姿を見ているだけでも元気になってくるから好きです。
馬を使ったアクションも、これぞ西部劇って感じで素晴らしい。

物語冒頭に悪漢ボーグは「おまえたちの大切な土地(land)だ」と、土をバカにしたみたいなことを言うのですが、思わず「土をなめんじゃね〜!」と心の中で叫んでしまいましたよ。
このボーグという男は金脈探しのためにローズ・クリークの町を奪おうとしているという設定です。
こういうのがいくらか金満主義を批判しているようにも受け取れ、とても現代的だと感じました。

また後半にボーグの雇った傭兵軍団みたいな男たちが、背広ネクタイにロングコートという衣装で現れたのも印象的。
この連中の都会的あるいは近代的なビジュアルが、典型的なカウボーイのような7人のいでたちと対比させているのが面白かったです。
「荒野の七人」とはいくらか時代が下った設定になっていることで、より善悪の対比がわかりやすくなっているように感じました。

seven20174.jpg
傭兵軍団の画像がなかったのでコレで流用の背広ネクタイ姿
傭兵の人たちはもっとすらっとしてイケメンでカッコ良かったです笑




7人のキャラの描き分けは、旧2作に比べうまくいっていると思います。
旧2作は何度も観ているけれど、その度にキャラの把握に四苦八苦してしまうのは私だけ?
何しろ人種も国籍も様々、西部劇でこんなにグローバルな7人はそうそうないでしょ。
ただ年齢の幅が狭いというか、わからないというか、皆年齢不詳過ぎというか。笑
ネイティブアメリカンの彼はひょっとすると10代くらいの設定年齢だったのかな、と終ってから気が付きました。
一番若い者は生き残る、というのがこういう物語の鉄則ですものね。

seven20171.jpg
ブラックにイエローにホワイトにネイティブな人々



そして何より唯一の女性キャラが私的には最高でした。
序盤からずっと出ずっぱりなこの女性エマは、どういう役割なんだろうなぁと思いながら観賞していたんですけど、まさかのとどめを刺す人だったとは。
いやぁ、いいですね〜、こういうの大好きです。
他の女性に比べ一人だけやたら肌の露出が多くて、なんかそーゆー役割でもあるのかと思ってたら、全くそういうのじゃなかったところも◎。
一人で女性の強さと美しさを背負ってるキャラという訳です。

seven20173.jpg
胸の谷間も担当しているヒロイン
作中二人ほど見かけた客商売の女性は生脚(というより下着のみ?)でした



とかなんとか、一番のお目当てだったのはクリス・プラット。
彼に関して語るとネタバレになってしまうので、いつものように美しいウシジマくんにご登場いただきましょう。
ネタをばらされるのがお嫌いな方はコチラ→をポチッとしてからお帰りください。/

2017usi1no33.jpg
眉間の深い皺も美しいウシジマくん



以下ネタをばらしますのでご注意ください。

クリス・プラット演じるギャンブラーのジョシュ・ファラデーというキャラ。
一目見て「七人の侍」の菊千代(三船敏郎)のポジションだとわかりました。
人なつこく茶目っ気たっぷりで、女性から「可愛い」と言われる男性。
ということは、生き残ることはないということ。
きっと華々しく散って終るんだろうな、と直感しました。
まさか文字通り砕け散っての退場とは・・・・切ない、切な過ぎるわぁ・・・泣。

seven20175.jpg
マジックの特技を持つジョシュ・ファラデー(クリス・プラット)
頬ヒゲと首ヒゲが見事です



事が終わって牧師が「手厚く葬る」と約束した後、4本の十字架が映し出されるのですが、うち一本はただの十字架だけですよね?
もう本当に華々しく盛大に粉々に砕け散ったジョシュの最期は、とても見応えがありました。
何度も何度もダメかと思わせながらのラストのあの大爆発、ソフトリリースされたら、じ〜っくり堪能したいシーンです。


敵の親玉ボーグとチザム(デンゼル・ワシントン)のラストの一騎討ちで、この両者の因縁が明らかになります。
南北戦争時の出来事らしく、いわばチザムの私怨ということなんですけど、それがこの戦いに参加するチザムのモチベーションだったのかと思うとちょっと残念な気がしました。
ですからボーグにとどめを刺したのがエマだったというのは、とても納得のいく展開だったと思います。
あそこでチザムがボーグを殺したのでは、この物語がとても小さい物になってしまうから。
そもそも事の起こりとなったエマの正義の復讐への誓いが果たされて、一件落着めでたしメデタシ、これ以上ない見事な幕引きでした。

全くの余談ではありますが、今作には恋物語が全く描かれていません。
こんなシーン↓もあって、あら?そういう展開になるの?とも思ったんですけどね。

seven20176.jpg
エマにウィンクするジョシュ


小さい子どもに向かって「君にお姉さんはいる?」というあの名台詞を、ジョシュには言って欲しかったかも。
もっと余談ですけど、若いネイティブの彼がエマを助けに行ったのは、やっぱり彼がエマのこと狙ってたからなんでしょうかね。
だとしたらこの二人の後日談は・・・という妄想もアリかと。
長々と書き綴ってきましたが、それだけ見どころの多い作品です。
未見の方は是非ゼヒ!


七人の侍 感想その1 感想その2 感想その3

荒野の七人感想

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ジャンル : 映画

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こんばんは

2017年02月05日 22:13

キャラクターに共通点はありましたが、死に役は違ってて意外性がありました。
個人的には恋愛要素は残して欲しかったなあ。
大作感のある西部劇は今時貴重ですね。

Re: こんばんは

2017年02月06日 22:29

コメントありがとうです、ノラネコさん。

> キャラクターに共通点はありましたが、死に役は違ってて意外性がありました。
> 個人的には恋愛要素は残して欲しかったなあ。
> 大作感のある西部劇は今時貴重ですね。

取捨選択したら恋愛要素が削られちゃったんでしょうね。
私はSFとかファンタジーがあまり得意じゃないので、こういう地に足の着いた(文字通り笑)作品は嬉しいです。

銃さばき、最高でした

2017年02月11日 05:49

本日、三つ目のコメント失礼します。

>何しろ人種も国籍も様々、西部劇でこんなにグローバルな7人はそうそうないでしょ。
→期せずして、ハリウッドの反トランプ宣言になっておりました。

ジョシュの最後のラストランでは、私には隣で併走するブルー(ジュラシックワールドに出てたラプトル)が見えました。

では

一生観ないと誓った作品について

2017年02月11日 05:57

本日、4つ目のコメントで最後です

「ポセイドン・アドベンチャー」ってジーン・ハックマンが出てるやつですよね。
私が多感な時期に見て、いたく感動した作品でした。

何故?

では、またの機会に。

Re: 銃さばき、最高でした

2017年02月11日 22:23

コメントありがとうです、少年Zさん。

> >何しろ人種も国籍も様々、西部劇でこんなにグローバルな7人はそうそうないでしょ。
> →期せずして、ハリウッドの反トランプ宣言になっておりました。

あーやっぱり皆それを感じますか。笑

> ジョシュの最後のラストランでは、私には隣で併走するブルー(ジュラシックワールドに出てたラプトル)が見えました。

おおお〜!そうそうラプトルとの並走は本当にカッコ良かった。
恐竜にしろ、馬にしろ、人間にしろ、疾走する生き物の生命力は素晴らしいですよね。

Re: 一生観ないと誓った作品について

2017年02月11日 22:25

コメントありがとうです、少年Zさん。

> 「ポセイドン・アドベンチャー」ってジーン・ハックマンが出てるやつですよね。
> 私が多感な時期に見て、いたく感動した作品でした。
>
> 何故?

タワーリング・インフェルノ系のパニック映画と聞いてますので。